カルチョビット

カルチョビットにハマっている。華々しさはない。しかし面白い。
現在、4年目。N1リーグ所属・江戸川フィガロでプレイ中。

思いっきり砕けた表現を使うなら、サッカーのダビスタ
複雑さを増し続けたサカつくとは反対に、ゴチャゴチャした部分を廃したことで、シンプルながらも味わい深い世界を作っている。
基本は、見てるだけ。采配を出し、選手起用を考える。後は放っておく。選手たちが結果を出してくれるまでの過程を見守るのだ。

試合中に得られるカードを使うことで、練習をする。カードの組み合わせで、より高度な練習が出来て、選手の個性も強調される。
負けた試合は課題が多い、つまり得られるカードも多い。負けを糧として、チームを強くしていく。
当たり前でいながら気づきにくい重要なことを、システムとして形にしゲームなのだ。

このゲームは自チームの名前を自由につけることが出来る。文字数以内なら、組み合わせも自由。
ネットを見る限り、誰もが自然と空気を読んで、本拠地名+チーム名(もしくは逆の順序)で命名している。
脳内設定を楽しめる人じゃないと遊べないことがよくわかる。
初期設定の「FCチョビット」でもいいのかもしれない。しかし、それは誰かのチームであって、自分のチームじゃない。チーム名を考えることも、ゲームの一部なんだ。
勇者の名前を「ああああ」にする人じゃ、とてもじゃないが遊べない。
「えにくす」は微妙で、「とんぬら」や「もょもと」ならぎりぎりセーフ。別に、なんも基準はないけど。

で、話は戻って、我が箱庭である「江戸川フィガロ」。
チーム名の由来がわからない人は、FF6をやってくれ。
試合前のコイントスは、毎回イカサマをしているという脳内設定だ。この由来がわからない人も、やっぱりFF6をやってくれ。
クラブハウスが機械仕掛けで動くというのは、さすがに飛躍しすぎか。

初年度でフレッシュリーグ優勝で昇格、三年目でステップリーグ優勝で昇格、四年目でN2リーグ優勝で昇格現在のN1リーグに至る。まあ順調なんじゃないか。
このゲーム、ただ勝ち続けるならば、リセットを多用するという方法もある。
しかし、負けを勝ちへの材料にすることが面白い。

とにかく、のめりこみ度が激しい。
ドット画のキャラがチョコチョコ動いているだけの試合なんだが、実に熱を帯びた目で見てしまうのだ。頭の中で繰り広がられているのは、間違いなくリアルな試合。

ゴールポストにあたってばかりのシュートに涙し、つながりを欠いたパスワークにいらだちを感じる。
それが、気づけば連携の取れた動きを見せてくれるようになり、ロスタイムに飛び出した決勝弾に感動すら覚えるようになるのだ。

ゲーマーとは、語るためにビデオゲームに興ずる人間のことを言う。
カルチョビットは、そんな語りに最適なのだ。
誰から頼まれたでもなく、自チームの戦力分析をし、ストライカーの仕事振りを誇示するのだ。
サッカーチームを運営していくという性格のゲームだから、もちろん通信対戦機能はついている。
しかし本当の対戦は、通信ケーブルを通して行われるものではない。
口を介して語られるものなんだ。

だからみんな、カルチョビットをやれ。そして愛するチームを語れ。
箱説なしで、捨て値のGBA本体を買ってでもやるんだ。