ハリー・ポッターの発売を見に行く

naochang2004-09-01

ハリー・ポッター新刊を購入するために、魔法使いの皆さんは集まっているのだろうか。朝5時のハリーポッター販売開始が近づく、駅前の本屋に行ってみた。

辺りはまだ暗く、人の行き来も少ない。目に付くのは近くのカラオケ店から出てくる集団を代表とした、この時間に合わせてではなく、前からこの付近にいたと見受けられる人ばかりだ。
それも当然、そもそも駅のシャッターが開いていない。来られないし出かけられないのだから、そりゃあ人はいない。時間がわかりやすく風景にあらわれていたので、その画をカメラに収めようとレンズを駅の入り口に向けるも、「そこに住んでいる方」に怒られそうなんで、逃げた。

開店10分ほど前から本屋近くに移動し、状況をつぶさに観察しながら写真の用意をする。

まだ周囲は暗い中で、ひときわ目立つ光を放つ店内では、時間に似つかわしくない数の店員がせわしく動いている。列を成している人数は、20人には満たないくらいか。
お祭り気分の中で人が集まれば、不思議な連帯感の一つも生まれそうなもの。開店に合わせてカウントダウンが起こるくらいの奇蹟体験に期待するも、この店舗においては人数が微妙なこともあり、変化はなし。「一列に並んでくださーい」と、整理係の店員があげる声ばかりが目立つのであった。時間になって入り口のドアが開かれ、列が店内へと入っていく。入り口すぐに新刊が用意され、それを流れ作業で販売しているようだ。
もちろん、列に並んでハリー・ポッターとの出会いを待つ人々だけではなく、いくらか遅れて買いに来る客もいる。「あ、ちゃんと人が来てるよ」と話し、店を覗き込んでいる二人組が印象的だった。そりゃ心配するよね、朝の5時だもの。
15分ほどで列はさばけ、袋を持った客たちは、足早に家へと向かうのだった。悲しむべきは、これから店員たちには、暇で暇で仕方ない長い時間が訪れるのだろう、ということだ。かわいそうに。
なんかしらの本を買って帰る予定だったが、昨日も思いつきで本を買っていることもあって自重した。なにより、うっかり『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』を買ってしまう可能性が怖い。

民明書房大全』が3日ではなく、今日の発売ならば。そのことだけを残念に思いながら、帰途につくのだった。