鼻の穴には赤い液体

花粉症の時期も外れた昨今、どうにも鼻がムズムズしてかなわん。
鼻をかんだティッシュを見てみるに、鮮やかな赤みを帯びているではないか。
特に衝撃を与えたわけでもなければ、強く鼻をかんだわけでもない。なのに赤が混じるとは、体調からの視覚的な問題提起だろうか。
しかしこの赤、なんとも鮮やか過ぎるのではなかろうか。鼻血は得てして、どす黒く固まって排出されるもの。それがこの赤みは、鮮やかさこの上ない上にやたらにサラサラとしている。
この色はどこかで見覚えがある。
その記憶は、部屋に鎮座まします段ボール箱に吹き付けられたスプレーの赤み。
この赤は血ではなく、空気中に舞ったスプレー塗料が鼻の中で固まったものなのであった。
なーんだ、血じゃないのか。じゃあ体調が悪いわけではない。よかったよかった。
そうして胸をなでおろしてみたものの、塗料が鼻の中から出てくる状況というのがこの上なくまずい状況だと気づくのに、そう時間はかからないのであった。
億劫がらずにマスクを使いましょう。そうしましょう。