ニンテンドー DSのデザインと、PSP

最新機器にレトロなデザインを組み込んだ伝統的な外見は、任天堂の歴史を内包して、形式美に通ずるものがある。
だからこそ、ゲームウォッチであることこそが素晴らしい。
クラシックカーのデザインを意識しながら、流行のラインをしっかり押さえた新車であるかのように。
なんだか、マスターグレードでリメイクされた、モビルスーツの解説のようだが。

PSPはカッコイイ、ニンテンドー DSは垢抜けない、という見方が多いのはわからなくもないが、これは進化の系譜を体現しているようで興味深い。
ニンテンドー DSは携帯ゲームの延長であり、PSPはAV機器の短縮であるように見える。
そういったハードに対する視点の相違があれば、ソフトに対する視点の差もまた、同様であろう。
用意された機能でどんな面白いことが出来るかという発想は、任天堂ハードにおいて多く見られ、新たなキラータイトルの創出を期待させる。
そのため携帯ゲーム機としては、断然、ニンテンドー DSに期待している。

一方のPSPは、携帯ゲーム機の枠を超える情報端末として、どんなプレイバリューを見せるかにかかるのだろう。
HDDレコーダーとしての機能を持たせたPSXは、大成功とは言いがたい。大コケしたピピンアットマークのように、単なるパソコンの劣化版になってしまっては、何の面白みもない。
これらはゲーム機としての価値を、他の分野に組み合わせることで増強したのではなく、十得ナイフを作ろうとしているだけだ。

PSPであるからこその価値を持たなければ、映像面に特化したPDAになってしまう。
表示機能を増強する発想は、携帯ゲーム機としては必要ないものとして切り捨てられがちな部分であり、逆行する試みが吉と出るか凶と出るか。

完璧に余談だけど、バリエーションがあまりにも多いGBASPの現状から推察するに、ニンテンドー DSをレトロカラーで発売するのは規定路線だね。