サイン会

naochang2004-08-06

さる作家さんのサイン会に行ってきた。
整理券配布数は100枚らしく、店内のサイン会場から列が延び、店舗の外壁に沿って誘導される形になっている。
サイン会場の背中側がガラス張りになっていて、ある程度早い順に並ぶ人及び、道行く人々からサイン会の様子が見える状態だ。

列が少しずつはけていき、ガラスをはさんだ向こう側に、サインをしている背中が見えるというところまで進む。
待っている間は何をするでもないから、サイン会場に目をやって、サインに添える言葉を考えているところや、写真撮影に応える様を眺めていた。

すると、列の状況を確認するためなのか、サインの途中で急に振り向いた折、あまりにもタイミングがよかったがために目が合った。
ガラスをはさんで1メートルくらいからオレをみつけ、右手を挙げつつ、よっ!と聞こえんばかりの表情をしてる。
不意をつかれオドオドしながら、こちらもまた右手を挙げ、口パクで挨拶。実際に声を出しても、どうせ向こうには聞こえないことを、脳が勝手に判断しているのだろうか。

横で補助をしている店員さんに対して、なにを話しているダァー!こっちを指差していたから、間違いなくオレの話だよ。

気になったまま列は進み、次は自分の番。
店員さんは明らかに、オレの時だけ含み笑いをしている。何を話していたんだ。

で、サインをもらったのであった。
サインをするにあたっての会話内容が、進路決まった、とか、来月になったら空いている日をこっちから電話するよ、なんて具合で、なんかヤだよ。
そして握手をして終了。知った同士で握手ってのもなあ、なんて話をしつつ。
確かにそうなんだけど、それを言っちゃあ、わざわざサイン会に来ているオレがアホみたいだから、勘弁してください。

全ての客と会話をし、記念写真を求められれば肩を組んで撮影する。相手の名前の横には一言を付け加えてサービスする。
見習うべきプロだ。作品の文体に限らず、尊敬しちゃう。

彼のような年長者が身近にいると、歳をとるのが楽しみでいられる。
そんな環境を持っているなんて、オレはなんてついているんだろう。